ちなみに、石川県内の文化財レスキュー活動については、石川県立歴史博物館の広報誌「石川れきはく」 https://ishikawa-rekihaku.jp/about/tayori.html のNo.146(2024年 5月発行)以降の各号で紹介されているので、そちらもご参照を。
ちなみに、石川県内の文化財レスキュー活動については、石川県立歴史博物館の広報誌「石川れきはく」 https://ishikawa-rekihaku.jp/about/tayori.html のNo.146(2024年 5月発行)以降の各号で紹介されているので、そちらもご参照を。
阪神淡路大震災を契機に発足し、災害時の歴史資料の保全に取り組み続けている歴史資料ネットワーク https://siryo-net.jp のニューズレター(史料ネットNews Letter)の100号が、少し前に届いていたのだけど、ようやく中身を読んだ。
2024年能登半島地震における史料の救出、保存に関する取組みについての報告や、2024年2月に開催された全国史料ネット研究交流集会in首都圏のレポートが中心。全国からの支援と、現地での普段からの地道な活動がかみ合った時に、古文書などの歴史資料が残される道が開かれる、ということがよく分かる。
被災した古文書や文化財の救出は各地域の歴史系博物館が活動のハブになることが多いが(例えば、石川県では石川県立歴史博物館が重要な役割を果たしている)、災害時、個人蔵の美術品の安否確認や救出・保存をどうするのか、という、美術館的な側面からの問題提起もあり、考えさせられた。
相澤邦彦/坂口千秋|スタッフエントランスから入るミュージアム(8) コンサヴァター(美術輸送) ──公共財としての美術品の保存と修復(artscape)
https://artscape.jp/article/26008/
ヤマト運輸の美術品輸送部門で働く保存専門家のインタビュー。そんな方がおられたとは。美術品輸送の話自体、なかなか読める機会は少ないので、好企画ではないかと。
休止の民俗博物館の収蔵品、奈良県知事「全てデジタルアーカイブ化」(朝日新聞)
https://digital.asahi.com/articles/ASS7Z2TRDS7ZPOMB008M.html
持ち切れなかった民具を、できる限り移管して教育に活用する、という取組みは先に触れた、
第18回無形民俗文化財研究協議会報告書
https://tobunken.repo.nii.ac.jp/records/2000091
でも報告されていたりするので、先行事例を踏まえている様子もあり。
デジタル化が現物の完全な代替になるのか、というと、厳密にはどうやってもならないのだけど、デジタル化した上での原資料の廃棄という事態は、宮城県の公文書館で既に現実のものとなっていることを最近知った。
次を参照。
本間大善「公文書館と資料の媒体変換・正本化:宮城県の取り組みをめぐる一考察」デジタルアーカイブ学会誌. 2024 年 8 巻 s1 号 p. s5-s8
https://doi.org/10.24506/jsda.8.s1_s5
民具を継承する 安易な廃棄を防ぐために:第18回無形民俗文化財研究協議会報告書(東京文化財研究所刊行物リポジトリ)
https://tobunken.repo.nii.ac.jp/records/2000091
記事の末尾で紹介されているこの報告書、斜め読みしただけだけど、面白そう。
地域の人の記憶との結びつきを残せるかどうかは大きいかも。
奈良県知事の収蔵品廃棄発言と、その背景にある本当に考えなければならないこと(美術手帖)
https://bijutsutecho.com/magazine/insight/29303
民具の特性をきちんと解説しつつ、一方で、「民具により現代的な意味を見出すためには、それを使った展示や活動に柔軟な発想を導入することが求められる」、と現在の少なからぬ博物館における民具の扱いについて釘も刺している感じ。
色々新しい取組みも始まっている、ということが分かるという点でもありがたい。
奈良県立大学の、寄贈された植物標本大量廃棄の件、なかなか根が深そう。
県立大が植物標本1万点廃棄 寄贈した団体が説明求め要望書(NHK 奈良NEWS WEB)
https://www3.nhk.or.jp/lnews/nara/20240722/2050016552.html
奈良県立大、寄贈の植物標本誤廃棄 採集不能・絶滅危惧種も(Yahoo!ニュース・奈良新聞)
https://news.yahoo.co.jp/articles/b22656fa67f613c4fc86a9193d36db1fad3d29ae
植物標本の誤廃棄について(奈良県立大学)
https://www.narapu.ac.jp/news/20240719happyou/
奈良県立大は文系学部一つの大学で理系教員が少ない。
教員紹介(奈良県立大学)
https://www.narapu.ac.jp/regional-development/teacher/
県立大側が平謝り状態だけど、そもそもそういう組織に、大量の植物標本を長期間任せっぱなしにしていた、県側の対応はどうなのか、という気もしなくもなし。
県立の自然史系博物館設置構想が、県側にあったのかどうかもよく分からず、寄贈を受け入れた経緯も今のところよく分からない。経緯をまとめた報告書などが公開されることを期待。
コレクションを維持する保存修復の仕事に光を当てる。橋口由依が語る「鎌倉別館40周年記念 てあて・まもり・のこす 神奈川県立近代美術館の保存修復」(美術手帖)
https://bijutsutecho.com/magazine/series/s34/29252
気になっている展示なのだけど、行けなさそう。