(化粧品メーカー・ポーラの)健保担当者は思いのほか、快く答えてくれた。
「結局、マイナの登録を促進しようということです」
「マイナのほうが事務コストも減る。余分なもの(資格確認書)を発行しなくて済むので、徴収した保険料を効率的に使える」
発行自体に高額なコストがかかるわけではなく、手数料はあくまでマイナ保険証を使ってもらうきっかけづくりとのことだった。
高額な手数料が、加入者の自由な選択を制約することにならないのだろうか。
ポーラ健保の担当者に疑問をぶつけると、政府がマイナ保険証の利用を促していることを理由に、こう反論した。
「資格確認書を選びたい人もいるかもしれないが、そこに対しては国から説明がある。健保としてはあくまで国や厚労省に協力するスタンスです」️
再発行に1万円は高すぎないか? 「資格確認書」の手数料、マイナ保険証の10倍も 厚生労働省の見解は…:東京新聞デジタル https://www.tokyo-np.co.jp/article/407351
ポーラ健保が6月2日、ウェブサイトに公表したのは「【重要なお知らせ】当健康保険組合に関する一部報道について」というタイトルの文章。
そこには、まず加入者向けに対して、お詫びの言葉がつづられていた。「皆様にはご不安とご不信をお持ちになったのではないかと思います。ご心配をおかけして申し訳ありません」
その上で、1万円の再発行手数料について、次のように引き下げの方針を明らかにした。
「近日中に臨時組合会を開催し、本事務連絡の主旨に沿った内容への変更を予定しております」
突然の方針転換。
その理由は、「本事務連絡の主旨」とあるように、厚生労働省が出した一通の通知だった。
厚生労働省は5月22日、ポーラ健保をはじめ全国の健保に「事務連絡」という文書を出していた。
ポーラ健保の決定を知った厚生労働省が、「社会通念上、過大なものとならないように」と、資格確認書の再発行に高額な手数料を取る動きにクギを刺したものだった。
資格確認書「再発行1万円」を見直しへ 「マイナ保険証にすればいい話」との方針を一転させた、国の通知:東京新聞デジタル
https://www.tokyo-np.co.jp/article/409213