三重県伊勢市で診療所を営む越智晶俊院長(68)にも、廃業の危機が迫っている。マイナ保険証に対応したシステムの導入を拒んでいるからだ。マイナ保険証を読み取るカードリーダーも置いていない。
システム導入しないと、保険医療機関の指定を取り消される可能性がある。11月下旬も厚生労働省側から導入を催促する電話があったばかりだ。
今では診療時に患者にこう伝えている。「来月には閉院しているかもしれないですから、来るときは電話してください」
診療所は52年前に父親が開業。職員が「うちは歯科と産科以外は全部受け入れますよ」と言うほど、地域に根差してきた。
「越智医院がなくなるほうが地域には不利益」。コロナ禍に地域医療を支えてくれた医師が、なぜ廃業しなくてはならないのか、患者らは納得できない。
親子2代で世話になってきたという男性(67)は、こう憤る。「システム導入せんから閉めるなんて、たまらん。国はなんでそんなに焦って進めるんか」️
「マイナ保険証のせいで閉院することになるとは」 地域医療を支えてきた医師が嘆く「システム押しつけ」:東京新聞デジタル https://www.tokyo-np.co.jp/article/375694