台北に来て三日目、電車にも慣れてEasyCardなるSuicaの台湾版の交通カードをピッと鳴らしながらあっちこっちに行っていると、案内表示のアレンジの仕方が日本にそっくりだし、漢字で地名や路線、地区がわかるだけでなく、エレベーターの作りや地下街やデパートの雰囲気が東京にそっくりなので(似ているところを挙げたらきりがない)、人混みのなかを乗り換えなどしているとまるで東京のどこかを移動しているような錯覚に陥る。しかし、はたと耳に入ってくる言語はやはり中国語。妙な気分である。知っているのに知らない。
ドイツに住みはじめて言葉が分からず風景もまだ慣れない三ヶ月後にサンフランシスコに行ったときに、明らかに慣れない異国なのに信号待ちで近くで喋っている人が英語なのでその内容がよくわかるのが鮮烈だった。知らないのに知っている。あのちょうど逆の感じである。
台湾に来たのは初めてだ、と言ったら台湾の人たちにそれは意外だ、と、何度も言われた。台湾の人にとっては日本は毎年遊びに行くぐらい近い国だそうで、実際、台北からは日本のあらゆる地方空港に飛べるようになっている。台北の飲食店は国際色が極めて高いが、和食関連は圧倒的に多く、生活に溶け込んでいる。台湾の人にとっても逆に日本の都市はとてもわかりやすいそうである。よくそのことがわかる。なにしろ夜市には牡蠣オムレツや豚の臓物だけでなく、たこ焼き、おでんにガチャガチャ、金魚すくいまであるのである。
東京、大阪、台北、クアラルンプール、シンガポール、という環太平洋の点を繋ぐと、その間に連続して少しずつ変わってゆく都市の雰囲気が描けそうな気がする。
@kmiura
バンコクも入れてください
@Panda 考えたのですが最近行っていないので30年前からは激変しているものと思われ、ラインアップへに加えるのを遠慮しました…
@kmiura
了解です
30年前はどんなだったのだろう…
(今住んでいます