本屋振興政策の話を眺めていて、先日神保町に用事で行ったときのことを思い出した。
用事ついでに書泉グランデを超久しぶりに、おそらく15年ぶりぐらいだと思うが、のぞいたら、(私的には)並んでいる本がひどく劣化していてちと驚いた。90年代の理工学書の棚はハードコアな本まで結構充実していたのだが、見る影もなくなっていた。レベルの低いオカルト化している。
もともとある程度オカルトの本もあった。私が年中いっていた当時は工作舎的な比較的センスのよいものから、澁澤龍彦的な世界、空中に浮く写真が表紙の麻原彰晃の本まで並んでいる、というサブカル魔界的陣容でそのダークな重厚さが実に魅力的であったのが、あの空間のオーラはすっかり消え失せていてペナペナなオカルト本の空間になっていた。
残念である。
ついでに三省堂のビルまでなくなっていて、実用一辺倒な感じで陰鬱さゼロのあまり好きな書店ではなかったが、神保町のヘソが消えたような気分であった。