“趙国君は、もともと中国で文化イベントを催して生計を立てていたため、東京でもその仕事を続けている。皇居の北に書店を開き、棚には中国の書籍、壁には作家の鲁迅(1881-1936)、ノーベル平和賞を受賞した詩人の劉暁波(1955-2017)などの思想家の肖像写真を飾っている。店の中央には、木の大きなテーブルがあり、そこで茶を振る舞う。
毎週、この店に研究者やアーティストを招いているだけでない。自分も「市民権講座」を開き、現代史についても講演している。目的は、若者たちを「世界市民」に育てていくことだ。趙国君の志は大きく、将来的には「人民大学」を作りたいと夢を語る。
「これが大切なんです。なぜなら中国では、良質の講義を受けるのが不可能だからです」
趙国君の書店は赤字だ。いまは貯金を切り崩して生活をしている。”