日本では今そこにいる移民の人たちとできるだけ友達になりたいと心底思う。私もあまりに移民的であり、世界は移民で埋め尽くされるべきである、と思っているのである。そう思っても人生の半分、日本で日本人であった私は決して今の日本で移民ではない。
コウケンテツさんの最初のレシピ本(2008年だ)は泣けるほど移民二世としての彼の想いが彼のそれを抑えようとする意志を越えて溢れていて、名著なんでみんなに是非とも読んでほしい、そう思う。感受性のある人なら共鳴する何かがそこにある。
いやもう、豆もやしのナムルとか、味とは別に感動である。作って、味わうといい。
若い人って無茶苦茶観念的で理想的なんだよね。その在り方をダイレクトに感じるのだ。その後の飛躍はすばらしいが、レシピでその源流を辿ると私のような人間はより深く感動するのである。