JR武蔵野線と西武池袋線が、2028年度をめどに直通運転を実施する方向で検討していることがJR東日本と西武鉄道への取材でわかった。実現すれば、両社間の直通運転は初めてで、埼玉・秩父エリアから千葉・東京湾臨海部まで乗り換えなしでの移動が可能になる。
関係者によると、両線には接続駅がないため、JR新秋津駅(東京都東村山市)と西武・所沢駅(埼玉県所沢市)間にある連絡線を使って直通させる案が検討されている。
西武池袋線とJRが初の直通運転、2028年度めどに…所沢駅と武蔵野線・新秋津駅の連絡線活用案 : 読売新聞
https://www.yomiuri.co.jp/national/20250609-OYT1T50040/
西武鉄道はかつて貨物列車を運行していた。沿線から採取されるセメントや石灰石をはじめ、沿線の工場向けに重油やカーボン素材を、入間航空基地へジェット燃料や小麦粉、飼料、紙などを輸送していたという。当時から旅客列車による西武鉄道と国鉄(現JR)の直通運転はなかったけれど、貨物列車は直通していた。
1996年に西武鉄道の貨物列車が廃止された後も、この連絡線が役割を終えることはなかった。たとえば西武線へ新型車両を運ぶ場合、各地の車両メーカーからJR貨物の機関車に牽引され、貨物列車扱いで新秋津駅にやって来る。そこから所沢駅へ、西武鉄道の機関車に付け替えられ、搬入されていた。
これとは逆に、西武鉄道からJR東日本の線路に入る電車もある。改造のために車両メーカーへ向かう電車だ。また、西武多摩川線は西武鉄道の路線網から孤立しているため、多摩川線用の電車が検査のために池袋線に出入りする際、この連絡線を使用する。
鉄道トリビア(211) JR東日本の線路なのに西武鉄道の車両しか通らない区間がある | マイナビニュース
https://news.mynavi.jp/article/trivia-211/