現在の日本を表現する際にしばしば用いられる「後進国」という言葉は、ぼくはあまり好きではない。そのワードは、「先進国」という言葉に付く「先」の逆を単純に取っただけでしかなく、「先を進む」に対して「後ろを進む」という意味にとれる。
日本は「後ろを進んでいる」のではなく「後ろ向きに進んでいる」国であろう。その意味で『後進国』ではなく『衰退国』のほうを推したい。
「後進」という言葉は、「後進に道を譲る」というフレーズがあるように、まだまだ前途があるかのように錯覚させてしまう。今のところ、日本には揚々たる前途などまったく見えないので、やはり「後進国」などという上等な言葉は日本なんぞには似合わない