もくれん
ぱん!
って音がして
そこにはもう私は居ないの
だん!
って足を鳴らす
そこにはもう私は居ないの
不可ないことだ! と人が提唱する
私はそこに居たくない
木蓮は素敵な木です
花びらが広くて肉厚なところが良い
ぐむぐむぐむと木蓮の花を口いっぱいに
口から唾液と一緒に溢しながら
ぐむぐむぐむと飲み込もうとして
飲み込もうとして
咽に詰まって
朦朧として大地に蹲りながら
花を食べて
花を食べて
花を喰うのは鬼畜の所業
もうそこに私は居たくないの
木蓮の花びらに噎せて
口の箸から唾液を溢して
大地に身を預ける
淋しいね
きっとほかのひともさみしいよ
癒せないね
そういうレヴェルの痛みじゃないから
かなしいね
(→)