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今の時代に昭和のような所得税率は戦争のような事態でもないと受け入れられないだろう、というのは皮肉でも嫌味でもなくて、世界的にも1970年代ごろまでの所得税率の最高税率の高さは戦時中に国防費調達のために税率を大幅に引き上げた名残りなんですよね。第二次世界大戦のような全面戦争ぐらいわかりやすい国家存亡の危機(例えば米英は世界中で戦ったしアメリカはハワイを攻撃され、イギリスは首都ロンドンを含め主要都市が激しい空襲に遭っている)の折に「これではいくらなんでも税金が高すぎる」とは言いづらい。第二次大戦後はそれを福祉国家に活用しようとしたわけだけど、戦時の税率を平時もそのまま維持し続けるのは無理があり、課税を緩和することになった。

あと昭和日本の所得税って最高税率が今より高かったことに注目が集まりがちだけど、同時に中間層にもかなりの税率がかかるようになっていて、「昭和の日本が消費税なしでやっていけた」主な理由には、実は「中流層が所得税をいっぱい払っていたこと」も含まれる。

↓昭和末期(1986年)と平成以降の所得税率の比較
mof.go.jp/tax_policy/summary/i

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